落花生(ピーナッツ)アレルギーの原因や症状から対処法、食べてはいけない食品まとめ

落花生(ピーナッツ)アレルギーで
気を付けたいことは、
アレルゲンがとても強いことや
様々な料理、加工食品としても
使用できる万能調味料なところです。
見た目では判断がしにくいので、
外食には特に注意が必要です。
そんなピーナッツですが、
近年では需要がすごく高まっています。
甘く、カロリーが高いイメージがありますが、
料理にピーナッツオイルや
ピーナッツバターを入れることで。
甘みやコク以外に「味に深み」を出せたり、
美容にいい健康食材として、
食卓に並ぶ家庭が増えています。
そのため、海外に多かった
ピーナッツアレルギー患者が
日本でも年々増加してきています。
さて、今回は落花生(ピーナッツ)アレルギーの
原因から症状、対処法、
食べてはいけない食品などご紹介していきます。
Contents
落花生(ピーナッツ)アレルギーとは?
落花生アレルギーはピーナッツの漢字表記のため
英語だと「Peanut allergy」と言います。
ピーナッツを食べたり、触れることで
・かゆみが強い蕁麻疹
・咳が止まらなくなる喘息
・下痢や嘔吐
・のどが腫れ呼吸困難
様々なアレルギー症状が起こることです。
そばアレルギーと共に
「アナフィラキシーショック」を
発症しやすいことでも有名です。
主に満1歳の誕生日から小学校入学直前の
乳児期に多いと言われます。
最近では、大人の患者も増加傾向にあります。
食物アレルギーの中でも
特にアレルギーを発症しやすい
「特定原材料7品目」に含まれ法律で
表示することが義務付けられています。
そのため加工食品も同様に表示が義務付けられ、
・ピーナッツオイル
・ピーナッツバター
・小粒種(採油用)
・大粒種(食用)
なども表示対象になります。
症状が重い重篤な方は
命に係わるので、よく成分表を確認してください。
落花生(ピーナッツ)アレルギーとナッツ類の関係
ピーナッツアレルギーだからと言って、
他の「ナッツ類」が
アレルゲンとは限りません。
よく間違えらるナッツの種類をご紹介します。
・アーモンドナッツ(バラ科)
・カシューナッツ(ウルシ科)
・胡桃(くるみ)(クルミ科)
・タイガーナッツ(野菜の仲間)
・ピスタチオナッツ(ウルシ科)
・ピーカンナッツ(クルミ科
・ブラジルナッツ(サガリバナ科)
・ヘーゼルナッツ(カバノキ科/ハシバミ属)
・マカダミアナッツ(ヤマモガシ科)
・ペカンナッツ(クルミ科)
このようにピーナッツはマメ科であるため、
アーモンドやくるみでアレルギー反応が出る方は
ピーナッツアレルギーでない可能性もありえますが
絶対にアレルギー症状がでない保証はありません。
この中でくるみ・カシューナッツは
特定原材料に準ずる20品目に含まれますが、
その他の○○ナッツには表示義務がないため
より気を付けなければいけません。
特にピスタチオは
重い症状を起こしやすいので
注意が必要です。
特定原材料に準ずる20品目は食物アレルギーに
詳しく記載しています。
落花生(ピーナッツ)アレルギーの原因・原因物質
ピーナッツアレルギーは、ピーナッツに含まれる
「タンパク質」が原因であり、
体が異物だと判断し、過剰に反応してしまうことで
アレルギーの症状が起こります。
ピーナッツのアレルゲンの場合は
高温処理で加熱する、「ロースト」や
油で揚げる「フライ」にすると
生や茹でるより逆に強くなる特徴があります。
また、幼児の場合消化器官が
十分に発達してないことから、
アレルゲンとなるたんぱく質を吸収できずに
アレルギー反応が出てしまいます。
他にも噛みきれなかったピーナッツの破片が
気管に入ってしまい、
肺炎になってしまうケースも多いため、
小児科では、小さいうちから
与えないように親御さんにお願いしています。
そんなピーナッツの
主要アレルゲンであるタンパク質は、
アセチルコリン、ヒスチジンと
言われています。
下記にまとめましたので、一つずつ見ていきましょう。
落花生(ピーナッツ)アレルギー原因・原因物質:アセチルコリン
アセチルコリンは本来、神経伝達物質であり、
副交感神経を刺激して身体を休め、
修復させ、リラックスする効果があります。
しかし、アレルギーにより過剰に反応してしまうと、
神経のバランスが崩れ、以下の症状が出ます。
・頭痛、不眠症、鬱などの自律神経失調症状。
・血管の拡張し体温が上がり、
汗腺を刺激して炎症が起き、痒みが増します。
・喉に炎症を起こし、
気道が狭くなり呼吸しにくい気管支喘息。
など様々な症状を起こします。
アセチルコリンはピーナッツ以外にも
たくさんの食品に含まれます。
・タケノコ
・トマト
・なす
・そば
・山芋
・里芋
・松茸
・クワイ
など野菜からきのこ類まで幅広く含まれます。
馴染み深いものだと、
みなさんは山芋など食べたときに
「口の周りが痒くなる」
経験をしたことはありませんか?
これらもアセチルコリンによる
アレルギー症状かもしれません。
落花生(ピーナッツ)アレルギー原因・原因物質:ヒスチジン
ヒスチジンは腸内細菌や乳酸菌、微生物の作用で
ヒスタミンに変わります。
ヒスタミンによって血管が拡張し、
むくみや蕁麻疹などの湿疹、気管支収縮で
ゼイゼイした喘息などの
アレルギー反応が起こります。
ヒスタミンは本来、
病原菌を身体に侵入させないための
自己防御として守ってくれるのですが
過剰に反応することで
アレルギー症状が出てしまいます。
ちなみに花粉症の原因も
このヒスタミンと言われています。
ピーナッツ以外にも多く含まれる食品は
・チーズ
・鹿肉
・アボカド
・ぶり
・サバ
などあります。
ピーナッツアレルギーの方は
症状が出るかもしれないので
注意が必要です。
落花生(ピーナッツ)アレルギー気をつけること
ピーナッツはそのまま料理や
お菓子などの加工食品にされることもありますが、
ピーナッツバターやピーナッツオイルといった、
調味料として使用されることも多くあります。
そのため、気づかないうちに
「食べている」ケースも少なくありません。
重度の方だとでは命に係わるため、
「間違えて食べてしまった」では
済まされません。
そうならないために
今回は症状が出てしまうかもしれない
気を付けたい食材を
いくつかご紹介したいと思います。
落花生(ピーナッツ)アレルギー気をつけること:アーモンド
アーモンドはナッツ類に分類されます。
ナッツ類とは種実類、木になる実のことを示します。
ピーナッツは名前にナッツと
入っているので紛らわしいですが、
ピーナッツは木にはできず、土の中で育つマメ科です。
そのため、一概に属する分類が異なるので
ピーナッツアレルギーだから、
ナッツ類であるアーモンドが食べられないと
決めつけるのは早いです。
しかし、注意すべき食べ物でもあります。
アレルギーというのは、
特定のアレルゲンに対して、反応が起こるわけですが、
アーモンドなどのナッツ類を
体がピーナッツと間違えて
アレルギー反応を起こしてしまう可能性があります。
これを交差抗原性といいます。
人によって起こる人もいれば
起こらない人もいます。
必ず医師の診断を受けてから
食べるようにしましょう。
落花生(ピーナッツ)アレルギー気をつけること:大豆などの豆類
大豆やえんどう豆はピーナッツと同じ豆類です。
同じ豆類である食べ物は、交差抗原性を起こしやすく、
ピーナッツアレルギーの人は、食べると
アレルギー反応が起こってしまう可能性があります。
豆類の中でもえんどう豆やレンズ豆などが
この反応を起こしやすいようですが、
同じ豆類である大豆も例外ではありません。
ピーナッツアレルギーの人が、
大豆に反応するという事例は少ないようですが、
おそらく豆類の中でも、
最も食べる頻度が多い大豆です。
医師の診断を受けてから
食べるようにした方が安心でしょう。
落花生(ピーナッツ)アレルギーの症状
ピーナッツアレルギーはそばアレルギーと同じく
最初は症状が軽くても
いきなり重症化することがあります。
そのため、他の食物アレルギーと比較しても
アナフィラキシーショックの発症が
非常に多いことで知られます。
主に
・蕁麻疹
・喉のかゆみ
・咳・喘息
・下痢
・嘔吐
・アナフィラキシー
など起きやすいといわれます。
では具体的な症状を見ていきましょう。
落花生(ピーナッツ)アレルギー症状:蕁麻疹
ピーナッツを食べてからすぐに口の周りがかゆくなり
顔に赤いや湿疹、
体全身に蕁麻疹が出ることがあります。
この時に強烈なかゆみが襲ってきますが、
掻いたら余計に症状が悪化するのでやめましょう。
ほとんどのケースが即時型アレルギーですが、
しばらくして、「何か体がかゆいな」と
身体を見たら全身蕁麻疹だらけだったなど
遅延型のアレルギーもあり得ます。
落花生(ピーナッツ)アレルギー症状:喉のかゆみ
ピーナッツを食べて急に喉がかゆくなったり、
イガイガなどの違和感がでても
アレルギーを疑ってください。
症状があるのに食べ続けてしまうと
「声が擦れる」「声が出にくい」など
どんどん悪化するかもしれないので、
すぐに食べるのをやめましょう。
最悪な場合は喉が腫れ呼吸ができななくなります。
こちらは命に係わるので
「喉」に何らかの違和感がでる方は
病院に必ず行ってください。
落花生(ピーナッツ)アレルギー症状:咳・喘息
ハウスダストやカビ、
花粉症でよく見られる症状ですが
ピーナッツを食べて咳や喘息が
止まらなくなることがあります。
喘息の人の気道は炎症があるため
ちょっとの刺激でも症状が出やすくなっています。
症状の中でもゼイゼイ、ヒューヒューといった
喘息が出る方は重篤のピーナッツアレルギーです。
突然、呼吸困難やアナフィラキシーに
なったりするので、
早めの対処が必要になってきます。
落花生(ピーナッツ)アレルギー症状:下痢
ピーナッツを食べてから
しばらくしてからお腹が痛くなり
下痢の症状が出ることがよくあります。
これは身体がピーナッツの
アレルゲンとなるたんぱく質を
「早く排出したい」という
危険信号でもあります。
下痢はアレルギー以外にもお腹が冷えたり、
脂っこい物ばかり食べているとなります。
そのため、何日も収まらない場合は、
アレルギーを疑いしっかりと病院で検査しましょう。
落花生(ピーナッツ)アレルギー症状:嘔吐
ピーナッツを食べて
気分が悪くなり嘔吐してしまうのも
アレルギーが原因です。
小さいお子さんだと寝ている間に
「吐いている」こともよくあります。
食べてからすぐに症状が出た場合は
全部吐かせても良いです。
吐いたことにより、
体調が回復することもあるからです。
しかし時間が数時間も経過しているときは
無理に吐かせる必要はありません。
落花生(ピーナッツ)アレルギー症状:アナフィラキシー
アナフィラキシーは様々なアレルギー症状が
同時に発症することです。
即時型アレルギーに分類され、
症状がでるまで20分~1時間と早いです。
ピーナッツアレルギーは
アナフィラキシーやアナフィラキシーショックなどの
発症率が他の食物アレルギーと比べても
高いことで知られます。
この中でも特に、血圧が急激に下がり
意識を失うほどの強いショック状態を
アナフィラキシーショックと言います。
治療が遅れると命にかかわってきます。
どれほど危険かというと、
ピーナッツバターが塗ってある
「サンドイッチを食べた彼氏とキス」をしたら、
彼女がアナフィラキシーショックで
死亡してしまったニュースが有名です。
このようにピーナッツのアレルゲンが
どれほど強力かがわかると思います。
落花生(ピーナッツ)アレルギーの対処・対策
外国に比べると日本はまだまだ、
ピーナッツアレルギーに対しての
認知度が低いです。
それは食文化の違いにあります。
海外では主食としてパンが多く、
ピーナッツバターやピーナッツオイルを使用した
料理が沢山あります。
そのため海外旅行などするときは
十分に気を付けなければいけません。
もちろん、ピーナッツを食べない、
近づかないことがベストですが
万が一食べてしまったときの
どのような対処・対策をすればいいのか、
また、何が食べてはいけないのか
まとめたので見ていきましょう。
落花生(ピーナッツ)アレルギー対処・対策:軽度の場合
ピーナッツアレルギーは軽度の方だと、
口の周りがかゆくなったり蕁麻疹できます。
また、咳、のどの違和感、
くしゃみ・鼻水など
他の食物アレルギーの症状と変わりません。
ピーナッツアレルギーの反応が出たときは
口の中に残っているなら
取り除いてよく洗い、拭き取ってください。
食後30分以内や本人が気持ち悪そうにしていたら
吐かせてもいいです。
(吐くことで気分が良くなることがあります。)
上記でもお話ししましたが、
ピーナッツのアレルゲンはとても強く、
キスしただけで死亡した例もあるので、
看病する側もよく洗い、
触る場合は十分に気を付けなければなりません。
赤い湿疹や蕁麻疹が出てきたら、
掻き毟らないように、
患部をよく冷やしてください。
冷やすことで痒みを軽減できます。
意識があれば、リラックスできるように
楽な姿勢にしてあげましょう。
状態が良くなったからと
自己判断が一番危険なのです。
あくまでも応急処置だということを忘れずに、
しっかりと病院に行ってください。
落花生(ピーナッツ)アレルギー対処・対策:食べてはいけない食品
ピーナッツの危険なところは、
隠し味として
色んな料理や加工食品に
含まれていることです。
何度も言いますが、ピーナッツとそばに関しては
アレルゲンが強いため少しずつ食べて慣らし
免疫力を付けさせるなどは、
絶対にお勧めしません。
アレルギーに対して無知な人が、
「少しずつ食べさせれば大丈夫。」など
よく耳にしますが、
あくまでも症状がすごく軽度の方
(口の周りがちょっと痒くなるなど)で
尚且つ医師の指導のもと大丈夫と
診断された患者さんに限ります。
ここでは、ピーナッツアレルギーの
症状が出るかもしれない
食べてはいけない食品をご紹介します。
落花生(ピーナッツ)アレルギー食べてはいけない食品:お菓子
ピーナッツアレルギーの方は
ピーナッツが使われているお菓子は、
当たり前ですが食べられません。
柿ピーなど、ピーナッツが
そのまま入っているので、わかりやすいですね。
ピーナッツが触れているので、
柿の種、せんべいももちろん食べられません。
風味付けのために
パウダー状のピーナッツや、
ピーナッツクリームなどが使われている
お菓子は要注意です。
ケーキ屋さんなどの洋菓子店などは
特に、見た目だけの判断は難しいため、
お店の方に確認する必要がありますね。
落花生(ピーナッツ)アレルギー食べてはいけない食品:カレーのルウ、ドレッシング
カレーのルウやドレッシングには、
風味付けにピーナッツの粉
ピーナッツオイルなどが使われている場合があります。
最近は液体ではなく、粉状のドレッシングが販売されたり、
和え物用の調味料、漬け込み用の調味料と、
料理の手間を省いたり、
本格的な味を出すために
家庭でも使われるようになってきて、
調味料はかなり多様化してきています。
その分段々とクオリティも
高くなっていることでしょう。
普段家庭にある調味料で味付けしているときは
ピーナッツなんて入れないと思っていても、
本格的な、家庭にある調味料だけでは
出せない味を出そうと、
メーカーがピーナッツを入れている
可能性はゼロではありません。
必ず購入時に成分表示を確認しましよう。
落花生(ピーナッツ)アレルギー食べてはいけない食品:中華料理
えっ?ピーナッツアレルギーは
「中華料理も食べちゃダメなの?」と
思いますが、実は高級な中華料理屋さんや
ホテルにある中華レストランなどは
油に「ピーナッツオイル」を
使用しているケースがあります。
また、「ピーナッツバター」も
料理に甘みとコクがプラスされ、味に深みが出ると
中華料理のタレに使われることがあります。
正直こればっかりは、
見た目では判断ができないため、
お店の方に確認してください。
落花生(ピーナッツ)アレルギー対処・対策:エピペン
エピペンとはアナフィラキシーショックにより
急激に下がった血圧を一時的に高くして
症状を和らげる自己注射の事です。
医師以外に自分や保護者の方が注射できるため、
緊急時には、代わりに打つことができます。
意識が朦朧とし始めてからでは遅いので、
蕁麻疹が身体全身に出たり、喘息が止まらなく
苦しそうにしていたら、エピペン注射をしましょう。
しかしエピペン注射を投与したからといって
必ずしも体調が回復するとは限りません。
あくまでも救急車が来るまでの
応急処置だということを忘れないでください。
落花生(ピーナッツ)アレルギー:代替え
上記で説明しましたが、
ピーナッツに反応しても「ナッツ類」に
アレルギー症状が必ず出るとは限りません。
しかし、自己判断だけは本当にやめてください。
必ず医師と相談してからにしてください。
ここではピーナッツの代替食品を発信していきます。
落花生(ピーナッツ)アレルギー代替え:ナッツ類
アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類
気をつけるべき食べ物でも
紹介させていただきましたが、
もし医師の診断で食べられることが分かれば、
ピーナッツの代替えとして
活用できるでしょう。
ピーナッツのカリカリとした食感が
アーモンドやカシューナッツが似ているので、
細かくしてお菓子に使ったり、
サラダに入れたりと様々な場面で役立つでしょう。
そのまま食べたり、
ローストして食べるのもいいでしょう。
また、アーモンドやカシューナッツも、
脂質が多いので、ピーナッツの様に油が絞り出せます。
家庭ではほとんど使うことはないかと思いますが、
風味付けなどには使えるかもしれません。
ピーナッツとは味が異なりますが、
一般的な調味料では出せない風味が出せるでしょう。
まとめ
今回は日本でもに急増している
「ピーナッツアレルギー」の
原因と症状、対処法、食べれない食品を
ご紹介しました。
ピーナッツアレルギーで
伝えたかったことは以下の4点です。
・キスをしても死亡するほど強いアレルゲンなこと。
・少量でもアナフィラキシーショックの
発症率が高いこと。
・色んな料理に使用されるため
外食・海外旅行には気を付けること。
・症状が急激に悪くなることがあるので、
エピペンを使いましょう。
など多く挙げられます。
自己判断で、「大丈夫」と思い
病院に通わないのは本当に危険です。
また、周りの方のサポートも欠かせないため
家族や友達、恋人のアレルギーも
把握する必要があります。
特に中華料理が好きな方は
気を付けてくださいね。