ピーナッツバターからダイヤモンドが作れる!?錬金術の方法について

ダイヤモンドとは地球上で最も硬度が高く、
光沢が美しい鉱物として有名です。
「宝石の王様」とも呼ばれるダイヤモンド。
何者にも征服しえない強い力をもつという意味を持っており、
非常に価値のある宝石です。そんなダイヤモンドを、
ピーナッツバターから生成することが
できるというのをご存知でしょうか!?
Contents
ピーナッツバターとは
ピーナッツバターは、その名の通り
ピーナッツから作られたペースト状の食品です。
パンに塗ったり、和え物に使ったりします。
中華料理では花生醤として、
様々な料理のタレの材料に、
アフリカ料理では煮込み料理や
スープなどに使われます。
ピーナッツバターの作り方
ピーナッツバターは、乾燥させたピーナッツをよく炒って
香りを高めるとともに、水分を除き、
薄皮と胚芽をふるいで取り除き、
粗く砕いてからバターミルでよくすりつぶし、
練りこんで作られます。
当然、ダイヤモンドは材料に含まれません。
ちなみに、「バター」というのは見た目からつけられたもので、
乳脂肪分はいっさい含まれていないそうです。
一般的なピーナッツバターの原材料
・ピーナッツ
・砂糖
・植物性油脂
・食塩
ドイツの物理学者、ダン・フロストの発見
鉱物学・岩石学・地球化学・地球物理学などの研究所である
ドイツのBayerisches Geoinstitut大学のダン・フロスト氏は、
地球の下部マントルで生まれるの環境を再現、
シミュレーションするという研究を行っていました。
そして彼は偶然、ダイヤモンドを
生成する方法を発見したのです!
彼は、ダイヤモンドが生まれた経緯について、
「古代に岩石が海洋から二酸化炭素を吸い上げた」
という仮説を立てていました。
ダン・フロストの考え
岩石がマントル中に入り込む
↓
高圧な環境により岩石中から二酸化炭素が放出され、
マントル中の鉄分が二酸化炭素中の酸素を奪い去る
↓
残った純粋な炭素が高温高圧の環境によって
圧縮されダイアモンドになる
ダン・フロストの実験が開始
炭素はすべての食べ物や生き物に含まれています。
フロスト氏はピーナッツバターを使って実験を行いました。
インタビューでダン・フロストはこう語っています。
「大量の水素が排出され、実験はおじゃんになってしまった。
でも幸いなことに、ピーナッツバターが
ダイヤモンドに変わった後にね。」
つまり実験は成功したのです!
なぜピーナッツバターなのか?
先ほども記述したとおり、
すべての食べ物や生き物には炭素が含まれています。
つまりピーナッツバターじゃない食べ物でも
実験は可能なのかもしれません。
日本ではそこまで馴染みがないかもしれませんが、
ドイツではパンに塗るものとして最もポピュラーなものが
ピーナッツバターだそうです。
ピーナッツバターが実験に用いられたのは
案外単純な理由からなのかもしれませんね。
問題点
ピーナッツバターからダイヤモンドを生成するにおいて、
改善点は多くあります。
ピーナッツバターに含まれる炭素に結合している水素が原因で、
ダイアモンドが作られるスピードはとてもゆっくりです。
2〜3mmのダイヤモンドのかけらを作るのに
何週間もかかるのだそうです。
他のことにも活かせる技術
この技術は、宝石の入手以外にも役立つと考えられています。
「超伝導体」をご存じでしょうか?
低温で、電気抵抗が全く無い金属のことを言います。
超伝導体は、「磁気測定装置」や
「医療用核磁気共鳴画像撮影」など
様々な面で利用されている物質です。
ダイヤモンドを生成する過程の材料に手を加えることで、
より優れた超伝導体を作ることができると言われています。
また、非常に硬いダイヤモンドを生成することも期待されています。
まとめ
今回ご紹介した研究はまだまだ発展途上で、
世間にも浸透していません。
「にわかには信じられない」、
「ピーナッツバターはダイヤモンドにしないでパンに塗った方が良い」
なんて意見もあるくらいです。
一方で「まるで錬金術」と謳われることもあります。
今後、この技術の利用価値、
研究の進捗に期待したいですね!
彼女にダイヤモンドをプレゼントしたいけど
お金がないという方、
ダイヤモンドの原石であるピーナッツバターを
プレゼントしてみてはいかがでしょうか?